平成27年度 第5回 サイエンスラボ
 念力(ねんりき)で振り子を動かす (低学年:1〜3年生)
〜タイシンってなーに?        (高学年:4〜6年生)
 平成27年8月27日  東岡山工業高等学校
指導  和田 

 念力で振り子を動かす  (低学年:1〜3年生)
   
   教室風景1
割り箸に長さの異なる振り子を作り、児童の求めの応じ指定された振り子を振動さす。不思議がってくれる。念力で動かしたのだと嘘を言う。どうしてか考える。
 実験
 1. 3連振り子を作る。
  ○ 割り箸に、長さの異なる3本の糸(それぞれ色を変えておくとよい)を結びつける。  ○ それぞれの糸の端にワッシャーをむすびつける。
 2. 3連振り子のどれか一つを「念力」で動かす。
  ○ 振り子は、その長さによって決まる固有の振動数で振動する(固有振動)。
  ○ 固有振動数で外から分からないようにわずかに揺らすと、そのゆれと同じ固有振動数の振り子だけが共振して振動する。他のは揺れが大きくならない。
   
 デモンストレーション  作成した振り子
   
 教室風景2  教室風景3


 「〜タイシン(耐震)」ってなーに?  (高学年:4〜6年生)
   
    筋交いの入った木造家屋骨格の柱
東岡山工業高校提供
(校庭の端から端まで位移動していただいて感謝です)
 
 教室風景 指導者の作成した実験材料1
   
 指導者の作成した実験材料2  指導者の作成した実験材料3
 小学校で、建物に筋交いを入れるとか、壁の厚さを厚くするとかの耐震工事が行われているので、その一つの筋交いを入れる工事の意味を考える実験を考えて実行して見た。
 実験
 1. タイシンってなに。   言葉の意味を説明
 2. 地震による木造家屋の倒壊
  ○ 阪神大震災の際の、木造家屋倒壊の模様をスライドで示す。  
 3. 家屋模型を使った振動による家屋の倒壊実験。 (学年ごとに実験)
  ○ 屋根を乗せない場合、揺らせても家屋は壊れない。
  ○ 屋根を載せた場合、揺らせると家屋は壊れる。
 4. 地震力はどこから生まれるか。 なぜ被害が起こるか。  慣性のことを話す。
 5. 耐震工事に於ける筋交いの効果(教示・実験)
  ○ 割り箸の枠の底辺を固定、対辺をばねばかりを介して水平に引っ張る。壊れる直前の力を記録。
  ○ 筋交いの入ったものについて、同じ実験を行う。 筋交い入りのほうがより大きな力に耐える。
 6. 家屋模型による家屋倒壊実験(筋交のない家屋模型、筋会のある家屋模型)
   ○ 実験方法の説明後、各学年ごとに実験。
 7. まとめ
  ○ 筋交が耐震効果を持つことが分かった。
 
   
 阪神大震災の被害  割り箸で作った柱の模型

   
引っ張って壊れたときのばね秤の
目盛りを読む。 
 割り箸の四角い枠に筋交いを入れた
   
引っ張って壊れたときのばね秤の
目盛りを読む。
  上記実験での結果
筋交いなしは早く壊れてばね秤の
目盛りは読めなかった。

   
 家屋模型の実験方法の説明  筋交のない家の振動による破壊実験
   
 筋交のある家の振動による破壊実験  実験で破壊した家屋模型
筋交いのない家とある家とでは振動による壊れ方が相当に違うことが実感できた。