第5回  竜之口サイエンスラボ
 7色に変わる液体のひみつ
〜酸性・中性・アルカリ性ってなーに〜
 平成26年8月20日 竜之口小学校
 指導: 後川 夫妻
 低学年
   
 植物から色素を抽出し、それを用いて身の回りにある液体や物質を溶かして作った水溶液の性質を色の変化として調べる。(5人くらいで1グループ)
   
始まりの挨拶(2教室) 
 I. 準備
 (1) ナイロン袋にムラサキキャベツと水を入れて色素を揉みだす。数十回づつ交代しながら、全員で行い、できるだけ濃い色素液を作る。2袋/班を作成する。
 (2) できた色素液を一つはコップに、もう一袋はトレー(皿)に入れる。
 (3) トレーに入れた色素液に各自ろ紙を浸す。全体に液が染込んだら(薄い黄色に染まる)取り出し、天日で乾燥させる。 トレーの余った色素液は回収する。
   
 ムラサキキャベツから色素の抽出 抽出した色素液を2分する 
   
 抽出した液にろ紙を浸し、あと乾燥する  抽出した色素液を5等分する
II. 説明  ☆ 各教室で導入部分の説明 
 (1) 実験に使用する水溶液(レモン水、食塩水、重曹水、スポーツ飲料)の説明
 (2) 植物色素(アントシアニン)についての説明
    最初に準備した色素液で水溶液の性質(酸性、中性、アルカリ性)を調べることができることを説明する。
  [参考]  アントシアニン:  アントシアン、アントシアニジン
       前者; 植物の花や果皮など美しい色を持つ部分に多く存在する配糖体で赤、青、紫などの色を示す。特に配糖体を指すときにアントシアニンという。
       後者; アントシアンから糖を分離して得られる色素をいう。
        pH:  水素指数を表す記号。水素イオンのイオン指数を表す。
             水素イオンのmol濃度の逆数の常用対数で表す。
             中性は7でこれより小さければ酸性、大きければアルカリ性。
 (3) 次の実験内容を説明する。

 III. 実験 
 (1) 水溶液の作成
    実験に用いる4種類の水溶液(@ レモン水、 A 食塩水、 B 重曹水、 C スポーツドリンク)のうち。食塩水、重曹水を作る。
 (2) 色素液を使って水溶液の背質を調べる。
  i)  最初に作った色素液(コップに入れた方)を5個の小型コップに入れる。(だいたい同じ量にする。)
  ii)  色色素を入れた4個のコップにスポイドで用意した4種類の水溶液を加えて色の変化を観察する。
  ※ 色色素を入れたコップ1個は対照用(比較用)なので何もいれない。
  ※ 1種類の水溶液につきスポイド1個を使用。スポイドが混ぜこぜにならないように。
 (3)  水溶液で落書きしよう(おまけ企画)
    4種類の水溶液で最初に準備した濾紙に自分の好きな絵や文字を描く。
    綿棒を一人に5本配布。水溶液ごとに綿棒は1本用いる。綿棒が混用されないように。
   
 指導者の例示(このようになるかな)  実験中
   
実験結果
 実験に関する補足
(1)  水溶液の作成について
    2つのコップ(大)に塩化ナトリウム(食塩)と炭酸水素ナトリウム(重曹)を1gづつ入れて班に一つ配布。
    児童はメモリ付試験管で水道水を20mlを計り取ってそれぞれのコップに入れて、割箸でかき混ぜ、5%の塩化ナトリウム水溶液(食塩水)と炭酸水素ナトリウム水溶液(重曹水)を作る。
(2)  予想される結果について
   @ レモン水   紫 → 赤 に変化する。変化の過程は少しわかりにくいが、対照試料と比べると色の違いはよくわかる。市販品(ポッカレモン)の原液では3滴くらいで色が変わるので、5倍に希釈したものを用いゆっくり変化するようにしている。
   A 食塩水    変化しない。
   B 重曹水    紫 → 青 に変化する。(予備実験では5%重曹水は1mlの色素抽出液に対して10滴ほど加えると色がはっきり変化した。)
   C スポーツ飲料  ほとんど変化しないが、少し酸性側に変化する可能性あり。
                       
                       

高学年 
  
 植物から抽出した色素で、身の回りにある液体や物質を溶かして作った水溶液の性質を調べる。
 (受付時に、0.2グラムのアルギン酸ナトリウム入りの蓋つきの小瓶を配布、氏名を記入さす。)(1組5人くらいにする。)
 I 準備
 (1) 色素液をさっき貰った小瓶に10ccくらい入れ、蓋をきちんと閉めて激しく振る。
次の説明が済むくらいの時間続けて振る。その後静置する。

 II 説明
 (1) 水溶液、pHに関する説明。
 (2) 植物色素(アントシアニン)に関する説明。
    低学年の参考 参照
(3) 次の実験内容の説明。 
   
高学年のクラスでの説明  教室風景
   
 試料の4種類の水溶液  色素液の分配(一つは比較用)
 III. 実験
 (1) 4種類の水溶液(A、B,C,D)をよく観察する。
    色、におい、透明度などそれぞれの水溶液についてわかることをメモする。
(2)  観察の結果から、それぞれの 水溶液が酸性か、中性か、アルカリ性か予測する。
 (3)  pH試験紙で、それぞれの水溶液のpHを測定する。 
 (4) 色素液にそれぞれの水溶液をスポイドで滴下して加え、色の変化を観察する。 
 (5) 自分たちの予想した結果、pH試験紙の測定値、色素水の色の変化をまとめる。
 (6)  人工イクラ型マジックボールの作製(おまけ企画)
    @ コップ(小)に10%塩化カルシウム水溶液を約20ml入れる。
    A 最初に準備したアルギン酸ナトリウム色素液をスポイドでとり@の液に滴下する。
    B ガーゼでろ過し、ガーゼに包んだまま水道水でよく洗う。
    C アルギン酸Na−色素水溶液が入っていた試験管(紫蓋付きビン)を水道水でよく洗い、水をよく切ったのち、人工イクラ製マジックボールを入れる。
    D 持ち帰って、身の回りにある水溶液が酸性か、中性か、アルカリ性かを調べてみよう。、
   
 実験手順の説明  4種類の水溶液の観察記録
   
実験結果 
   
 実験風景 
   
人工イクラ型マジックボールの作成