3.藤原 正さんの登り窯とその作品(中田北在住)     戻る

続・大甕(おおかめ) 制作過程(窯入れ、窯だし)

藤原 正さんは一年に一回作品の窯入れをされます。 このたびは心血を注いで制作された大甕(直径約95センチ、高さ1メートル6センチ、重さ約100kg)を6個、その他の作品約300点とともに長さ25メートルの大きい方の登り窯に入れて、もっとも大きな山場である窯入れをされました。
平成15年3月20日に火入れをして16日間不眠不休で薪を焚き、4月4日に火を止められました。約2週間かけて窯を冷やし4月17日に窯だしをされました。
窯だし前に一番気にかかることは、ひび割れが出来ているかどうかということと、焼き加減だそうです。それは火加減が大変難しいそうです。一気に温度を上げてもだめ、いろいろな経験と勘と、そしてたゆまない精進があるのでしょうね。
焼き物は、完成すると原型の一割五分ほど、小さくなるそうです。それをあらかじめ計算して、原型をつくるのだそうです。このたびは、一点の失敗もなく見事に完成したということです。おめでとうございました。
私も窯の中の大甕を見せていただきましたが、、大変な迫力を感じました。ちなみに大甕を一個制作するのに、約一ヶ月、乾燥に最低一ヶ月要するそうです。  (H.F)
窯へ入れられた火入れ前の大甕 窯だし前の大甕(窯の中の大王のように見えました)
大甕の運び出し、重さは100kgあります。
写真右側が藤原 正さん

(この写真の大甕を運ぶためのワッカは,昔からあるのかと思い藤原さんにお聞きしましたら、藤原さんが考案されたそうです。それで随分運び出しが楽になったとのことです。私もその仕組みを見て感心しました。ちなみにずっと昔は縄で網状のものを造り、それに天秤を掛けて運んだそうです)
見事に完成した大甕たち

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