(訪問者数4万件突破を記念して・平成16年6月7日)           戻る        ホーム   

モールス通信からインターネットへ   深川弘行 

私は若いころ、といっても終戦直後ですが、モールス通信士として通信に従事していたことがあります。今ではモールス通信といってもご存知ない方が多いかもしれませんが、19世紀初頭1832年にアメリカの画家サミュエル・F・B・モールスによって考案された通信方式で、これは今で言う一種のデジタル通信です。しかし、今の通信方法と比較すると、かなり原始的な方法で、トンという短点とツーという長点の組み合わせでカナ文字やアルファベットを表し、通信用の電鍵を使って有線や無線で、一文字づつ伝達する方式です。どんなに優れた通信士でも、1分間にせいぜいカナで100文字程度の通信をするのが精一杯でした。
そして、今から半世紀ほど前までは、世界の通信手段の花形はこのモールス通信でした。
船の遭難信号などのSOSもモールス信号で行っていました。タイタニック号が1912年(大正元年)4月14日午後11:40分氷山と衝突します。、その時の遭難信号SOSも、モールス通信により無線で行われています。
でも、今ではモールス通信は、実用では使われておりません。

モールス通信とインターネットはデジタルということでは、基本は同じですが、モールス通信の時代から、この50年ばかりで通信手段は、劇的というか、あまりにも豹変しました。
また、モールス通信をするためには、特別な技能を習得する必要があり、一年近い訓練を受け、その技能を持ったものだけが通信をすることが可能でした。
しかし、いまは誰でも、世界のどこにいても、インターネットで通信のみならず、情報検索などが安価で簡単に、そして信じられないほどの速さで出来ます。
そして、インターネットは今ではなくてはならない、生活必需品になっています。
パソコンと老人 インターネットは使い方はいろいろありますが、新しい言葉などが、わからないと、私は、まずインターネットで検索します。

例えば、「スッピン」を検索すると
【「別嬪」からの対義語的転用。化粧していなくても美人な女性をさす。あるいはただ単に、化粧していない女性の顔をいう。】のだそうです。私は、最初は、財布がオケラになった「別嬪」さんをいうのかと、思ったりしていました。でも、もとは素顔美人のことをいうのだそうですね。

「セレブ」最近よく見聞きするセレブというカタカナ語は、【英語で「有名人」「著名人」「芸能人」という意味のcelebrity から来ているのだそうです。】でも今頃は「セレブな店」とか「セレブなレストラン」とか「ちょっと高級」という意味に転化されて使われているようです。

私が昔従事していたモールス通信の遭難信号SOS(モールス信号では、・・・−−−・・・)。これはSave Our Ship(私達の船を救ってください)又は、Save Our Souls(私たちの命を救ってください) の頭文字の略号だと、思っておりました。しかし、たまたまイギリスのホームページを見つけたので、調べますと次のような説がずらーと並んでいました。
(参考:http://alt-usage-english.org/index.shtml)

Stop Other Signals(他の通信を停止せよ。救難信号だけがよく通ずるようにの意味)
Send Our Savoir(私たちに救助者を送ってください)
Send Our Succour(上記と同じ、私たちに救助者を送ってください)
Sure Of Sinking(船は確実に沈んでいます。)
Spasiti Ot Smerti (ロシア語で "save from death"の意). などなど。
半世紀以上たって始めて知りました。
そして、そのホームページが言うには、結局、SOSの略号の起源はよくわからないそうです。でもこんなこともインターネットがあるから知ることができるのでしょうね。
そのほか、最近「超・英語クロスワードパズル」というのを検索で見つけました。いろいろなパズルがありますが、これには、はまりそうです。英語の知識も必要で、私にとっては、かなり難解です。しかし解答を見つけて行く過程で、英語以外のいろいろな知識を要求されるのが大変面白く、その知識はインターネットで検索することで得られるものが多くあります。出題者と知恵比べをするということかもしれませんが、つくづく出題者に敬意を表したくなります。インターネットならではの出会いです。
もしこのページに興味のあるかたは、口で説明するよりはこちらを試しに、クリックしてみてください。なんの変哲もないページのように見えますが、ドッコイそうではありませんよ。
アカネズミ 一方、インターネットのページには、まゆつばのページもたくさんあるのも事実です。それをすべて見分けるのは不可能でしょうから、そういうリスクが常にあることを承知しておくことも、必要だと思います。
また、我々自身もホームページに一度を公開するとそのページが世間を駆け巡ります。例えば、賞田の例で言いますと、「アカネズミ」「写真」で検索(Google)すると、ばっちり一発で賞田のホームページの該当ページが出ます。大変嬉しい面もありますが、なんだか責任も感じます。
モールス通信時代からインターネットの現代まで、すべてが大きくかわりました。変っていないのは英文タイプライターのキー配列ぐらいです。
そのインターネットは、身近なところでも大変役に立っています。例えば、天気予報や台風情報は勿論のこと、地震情報などは発生して数分以内にはインターネットに掲載されます。また、レストランや居酒屋にいたるまで、電話番号は勿論のこと地図付きで検索することも可能です。また、最近では、私たち年金生活者の税金の確定申告が、インターネットで作成出来るようになりました。今年はインターネットで作成しましたら大変楽でした。そのほか枚挙すればきりがありません。
一面、最近起きた事件で見られるような、落とし穴があることも事実でしょう。
しかし、私はインターネットを、もっと楽しく愉快に使って、老後を楽しみたいと思っております。
高島公民館の地図

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