随筆連載        西学区の歴史や自然や暮しの様子!
第9回 今村地区に棲むトンボ・ヤンマ(1)
 現在,著者が在住している今地区の中仙道町内及び西小学校地区並びに御南小学校地区において、確認しているトンボ(蜻蛉)は、前回掲載したイトトンボ(糸蜻蛉)は4種類、今回はトンボ・ヤンマ(1)です。

 ハラヒロトンボ(腹広蜻蛉)は、腹部が異様に幅広いトンボです。北海道の南部から九州・四国まで広く分布しています。平地や丘陵地の植物の繁茂する沼や沢地などに生息しています。4月中旬から9月中旬ころまで見られます。下の写真は私宅の畑で撮ったものです。

 「写真-1」は雌です。「写真-2」は、まだ未成熟のオスです。成熟してくると、「写真-3」のように全身が黒くなって
きます。「写真-4」は、バケツにたまっている水に尻尾で水面を叩いて産卵をしている場面です。尻尾で水を叩く場面は短い時間ですので撮れませんでした


身近なところで撮影したトンボ
トンボ目、トンボ科、ヨツボシトンボ亜科、ハラヒロトンボ属、ハラヒロトンボ  
1.ハラヒロトンボ(メス)♀ 2.ハラヒロトンボ(未成熟のオス)♂
3.ハラヒロトンボ(成熟したオス)♂ 4.ハラヒロトンボ(メス)♀の産卵
  尻尾で水面を叩いて、産卵しているところです。  

 次は、シオカラトンボです。「写真-5」は、成熟したオスです。「写真-6」は、雌でいわゆるムギワラトンボと言われています。黒い部分のふくらみが何となくふっくらとしていることと尾部の白い部分を拡大してみると,「写真-7」のように白い部分が2つに分かれている間に短い白い突起があるのです。もし,ムギワラトンボを捉えることができたら観察をしてみてください。もし,白い突起がなかったら同じ色合いでも♂なのです。

 「写真-5」の色合いをしたシオカラトンボも♂だけでなく雌もいるのです。尾部の二つに分かれている部分の間に短い白い突起があるのです。以上のことからシオカラトンボの♂か♀かは尾部の部分を拡大して見ないと色合いだけでは簡単にはわか判らないことがわかりました。
 
シオカラトンボの分布は、北海道から沖縄まで広範囲です。平地や低山地になどで4月から10月にかけて最も普通に見られ,沼や池などでも見られます。雌は尻尾で水面を叩いて産卵します。(打水産卵といいます)
トンボ目、トンボ科、ヨツボシトンボ亜科、シオカラトンボ属、シオカラトンボ
5.シオカラトンボ(成熟したオス)♂ 6.シオカラトンボ(メス)♀
   
6.シオカラトンボ(メス)♀の尾の先端

*****  昆虫図鑑などを参考に、トンボやイトトンボの仲間の分類は、概略次のようになっています。 *****

   ( 赤字は、今地区で確認し写真があるもの。)
 トンボ目(蜻蛉目)     
  
・トンボ亜目 
 ・トンボ科
  ・ヨツボシトンボ亜科 ・(ハラヒロトンボ属)  ハラヒロトンボ
  ・(シオカラトンボ属)  シオカラトンボ
・他に(ホソアカトンボ属、 アジアアカトンボ属、
  シマアカネ属、 ヨツボシトンボ属)
・トンボ亜科
・アオビタイトンボ亜科 ハッチョウトンボ
・アカトンボ亜科 アキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネ、アイコアカネ、コノシメトンボ
、ノシメトンボ、リスアカネ、ミヤマアカネ、ネキトンボ
ショウジョウトンボ
・ベニトンボ亜科 コシアキトンボ
・ウスバキトンボ亜科 チョウトンボ、ウスバキトンボ、ハネビロトンボ
 ・ヤンマ科/
   ・アオヤンマ亜科; アオヤンマ、ミルンヤンマ
  ・ヤンマ亜科; カトリヤンマ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ
  ・アオイトトンボ亜科; アオイトトンボ、オオアオイトトンボ
 ・サナエトンボ科/
  ・サナエトンボ亜科; ヤマサナエ、ホンサエ
  ・コガタサナエ亜科; ダビドサナエ、フタスジサナエ、オグマサナエ
・ウチワヤンマ亜科; ウチワヤンマ
・ムカシヤンマボ亜科; ムカシヤンマ
 ・オニヤンマ科
  ・オニヤンマ亜科; オニヤンマ
  ・ヤマトンボ亜科; コヤマトンボ
 
・イトトンボ亜目 
 ・カワトンボ科
  ・カワトンボ亜科; ヒナカワトンボ、ニホンカワトンボ、ミヤマカワトンボ、
  ハグロトンボ、アオハダトンボ
 ・アオイトトンボ科
   ・オツネントンボ亜科; オツネントンボ、ハグロトンボ
 
  ・アオイトトンボ亜科; アオイトトンボ、オオアオイトトンボ
 ・モノサシトンボ科
  ・モノサシトンボ亜科; モノサシトンボ
 ・イトトンボ科
  ・ナガイトトンボ亜科; キイトンボ、ベニイトトンボ
  ・アオモンイトトンボ亜科; ホソミイトトンボ、アオモンイトトンボ
  ・イトトンボ亜科; クロイトトンボ
 

 
2014年11月5日 文責―中桐

西学区電子町内会
平成26年9月26日更新