07.11.14 |
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矢野医院
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矢野医院矢野院長
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朝、眼が覚めて「今日も昨日と同じように元気である」と思っても、今日は昨日とは違うのである。それは、身体を形作っている細胞は毎日壊れながら再生されているからである。
例えば、死者の脳細胞が死んでも1・2日は髭とか爪の細胞がすべて死滅していなく、完全に死滅するまで伸び続けるのである。
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1.骨は生まれ変わる |
骨も毎日、壊されながら再生されていて、約3年で新しくなっているが、25歳ぐらいからは老化現象が始まり、次第に弱い・脆い骨となってゆくのである。しかし、鍛えることによって元の強い骨に戻すことは出来なくても劣化の速度を遅らせることは出来るのである。
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破骨細胞 骨はカルシウムが取り込まれて形成されているが、そのカルシウムを取り出すのが破骨細胞である。
カルシウムは血液・血管・脳などに必要なものであり、摂取量が不足すると骨から破骨細胞により取り出されたカルシウムが供給される。それ故、骨が弱くなったり・脆くなったりして骨粗しょう症となる。 |
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A |
骨芽細胞
破骨細胞によって取り出されたカルシウムを補うのが骨芽細胞である。骨芽細胞によって修復される骨に余分にカルシウムを取り入れると化骨となり、これが神経を圧迫・刺激すると各部位の痛みとなる。化骨は硬い骨となり中年以降の女性に多く生成されるが、職業によるものもある。
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2.腰 痛 |
腰痛は脊髄神経が何らかの原因によって圧迫・刺激されると発生するものである。又、支持筋肉、腱の損傷でも発生する。
椎間板ヘルニアは椎体の変形・損傷により椎間板が異常に圧迫され柔らかい中心部が突出して、神経を刺激するために発生する。従って、椎間板が柔らかい若者に起こる症状であり、加齢者は加齢により椎間板が硬くなるので発生し難い。加齢者には、椎間板変性が発生する。
腰痛は |
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加齢により椎間板は硬くなるとともに異常に変形して、これが神経を刺激すると腰痛となる。また、椎体に余分なカルシウムが取り入れられ化骨になると、神経を刺激することにより腰痛となる。 |
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A |
椎体が異常に変形・屈曲・磨耗したり、椎間板が老化変形・磨耗したり、また、背骨を支える背筋・腹筋が弱くなったりして姿勢が悪くなることによっても腰痛となる。 |
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B |
外からの影響としては寝具の不適があり、就寝時に柔らか過ぎる布団で休むと背骨が異常に湾曲し、硬すぎると背部とお尻で体重を支えるため異常な負担をかける。 |
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C |
肥満であると体重を支えるために、腰に大きな負担がかかる。 |
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対処法としては |
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加齢による老化は防ぎようがないが、老化の進行速度を緩やかにする必要がある。外的原因である寝具については体に優しい寝具(畳・敷布団・2〜3センチのマット)を使用する。 |
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A |
腰痛防止には姿勢を正しく保つことが大切であり、そのためには背筋・腹筋を鍛えるべきトレーニングをする。又、歩行が重要である。
痛みがある時で急性の場合は安静にすることが必要であり、慢性の場合は少しずつ慣らしながら行う。軽い痛みなら、ある程度がまんして歩行、トレーニングは続ける。また、昼間できるだけ横にならず体を動かし夜は充分睡眠をとる。
さらに、腰痛体操によるトレーニングは急激・無理なことはせず、体調に合わせて行う必要があり、食事のバランスを考えながら日光に当たることである。
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3.膝 痛 |
膝痛は、半月板(クッションの役目)が損傷して、破片が膝の中で移動して起こるものと、上下の骨が接触して起るものがある。
膝痛には |
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変形性関節症
骨にかこつが生じ疼痛の原因となる。 |
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A |
関節炎 リウマチ、偽通風による炎症。 |
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B |
外傷
スポーツ、加重による半月板、靭帯の損傷。 |
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などがある。
対処法としては |
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原因を取り除く。
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A |
トレーニングを行って強い筋力(特に四頭大腿筋)で膝を守る。
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B |
投薬
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下肢部は第二の心臓といわれ、大腿四頭筋などの筋肉の収縮によって血管を圧縮することにより血液の流れがよくなる。
腰に大きな負担をかけないためには、足を伸ばして前かがみで荷物を持ち上げないで膝を曲げて持ち上げて立つ。膝の負担を軽減するためには正座をさけたり、しゃがみこんで草取りをするのではなく小さな椅子を使用する。
くれぐれも注意することは、「今日は昨日の自分ではない」から、充分に栄養を補給し・トレーニングによって関節を動かし、筋力をつけ・重力に逆らった生活をする。
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