最 近 の ち ょ っ と 気 に な る * * *
                                                      2006.09.13    
その17  ア ロ エ

 アフリカ産のユリ科の植物、日本でも昔から“医者いらず”と親しまれ、一家に一鉢とも言われているアロエ、日本でよく見かけるものはキダチアロエという品種がほとんどで、何年かに一度赤い花を咲かせます。 また、最近では自然治癒力が上がるとか免疫力を上げるとか整腸作用がある、血糖値が下がるなどと言われ、サプリメント・健康食品はもとよりジュースやヨーグルトに入っていたりと日常生活の中でもよく見かけます。

 昨年8月、(独)国民生活センターから情報提供が、また今年の夏も注意がありましたが、やっぱり一般の方からのお問い合わせがありました。
 「どうも体にいいはずのアロエを食べている・飲んでいるんだが、お腹の調子が悪い、下痢が止まらない」との声が出ています。 これはどうしたことなのか?
 問題になっているのは、アロエの肉厚の葉の表面近くに多く含まれる(特にキダチアロエでは多い)下剤成分バルバロイン(別名アロイン)のためのようです。 バルバロインは腸内で電解質の吸収を阻害し、浸透圧により大腸内の水分量を増やし蠕動運動を促して緩下作用を、また胃酸分泌を調整して整腸作用もあります。 

 一方、バルバロインは体内でプロスタグランディンE2という物質を分泌させ、これが原因で子宮収縮や血管拡張といった副作用がでる可能性があります。 アロエエモジンの直接子宮収縮作用も気になります。 妊婦・授乳婦、腎障害・痔疾患のある方は注意を要します、避けるべきだと思います。 
 また、他の成分のアロエウルシンという成分には、細胞組織再形成を促す作用があるので 火傷や傷のお手当に効果があることがわかっています。 それと本来生食用のアロエはアロエベラという品種で、苦味もなくマイルドでバルバロインは含まれてはいないものです。 

 一日量の摂取の目安としてアロエの生葉で10g、成分バルバロインとしては生理作用を示す5mgまでを。 といっても食品には正確な含有量や原材料の品種の記載はないことがほとんどなので少なめから、もし不調ならば中止をお願いします!!!


参考: 独立行政法人 国民生活センター発 2005.8.5版
ニッポン消費者新聞  2005.9.5 60号
日経ドラッグ 2006.9号