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町内会長の田尻祐二(たじりゆうじ)です。
我が町内会は岡山市の北東の玄関です。古くから住んでいる農家の家々、 新たに移り住んだ方々、 故郷に帰ってきた方々、
公務員官舎もあります。合わせて約800世帯。 岡山市内でも、単一の町内会としては大きい方です。
旭川の清流と山々に囲まれ、田畑も広がっています。 市街化区域は広く、近年は団地の開発も進み 一戸建てを求める方々を中心に移り住んできています。このような新旧の住民が混在するわが町内会、岡山市の電子町内会には発足当初(平成14年3月)から参画させていただきました。これは大変うれしいことに、予想もしていなかったコミュニケーションの広がりを地域にもたらしてくれました。
以下に新聞掲載用にまとめた手記を掲載し、ご挨拶と紹介に代えさせていただきます。
「電子町内会を考える」(平成18年8月24日付岡山日日新聞に掲載)
今年の夏はとても暑かった。セミの鳴き声も元気よく響いていた。地域での夏まつりや盆踊り大会も盛んである。思うに岡山市は大都会と違って季節感がある。町内会やコミュニティー組織などもしっかりしている。これはおそらく、地域に無関心ではおれないというプラスの指向性の表れではないか。数ヶ月前、北海道夕張市が自治体としての「倒産」に当たる財政再建団体の指定を申請することが決まったというニュースが駆け巡った。保育料や水道料金が値上げされ、道路の補修でさえ簡単にはできなくなるという。そこに住む人たちにとって、大きなショックであることは想像するに難くない。しかし、国や自治体の財政がどうなろうと、住民は今住む地域から逃げ出すわけにはいかない。私たちの暮らしは地域を離れては存在しないし、自分の足元は自らの力で踏み固めていかなければならず、すべてを行政にお任せということは元より不可能なことである。そして、自然災害や事件・事故などは地域的に発生する。そこに住むということは、地域で起こる様々な出来事をいやでも共有するように運命づけられているとも思う。
岡山市は平成14年3月から電子町内会の取り組みを進めてきた。現在、23連合町内会および32単位町内会が参加している。これを単位町内会ベースで見ると、市内1,582町内会(合併前)のうち485町内会(9月1日オープンを含む)が参加していることになる。会員数は3,514人(7月現在)で、このところの会員増加の理由は、電子町内会のシステムを活用し携帯電話に地域の不審者情報などを配信する取り組みが始まったことから、小学校PTAをはじめとした関係者に登録が進んだことによる。電子町内会は関係者の努力で、現実の生活に役立つ道具として進化しているようだ。
私は依頼を受けて、岡山市の電子町内会の取り組みを紹介するため県外へ出かけることがある。そこでは、いつも3つの事例を紹介する。
電子町内会を通じて@地域に新しいコミュニティーが誕生した。太戸の滝を守る会(市内では珍しい本格的な滝)、遊歩会(月に一度ハイキング)、スマイル会(地域の三世代交流)等など。A地域の課題が自己完結型で解決された。子供たちも通る道路にせり出した漆の木の伐採を、新しい住民が掲示板に要望。その書き込みを見た元々の地元住民がボランティアで2tトラック3台分の雑木を伐採。お互いは顔も知らない。町内会長は何もせず課題が解決された。B地域にある保育園など公的機関との連携が深まった。保育園に行くことのない住民であっても、保育園から発信される行事の写真を見てその状況を知ることができる。日常的にこれらに接すると、まさに「地域再発見」。電子町内会を通じて住民に新たなふれあいの場をもたらす地域資源の多さに目を見張るばかりである。
毎日、電子町内会の中でコミュニケーションに参加していた方が入院された。無菌室で病気と戦っておられる。一転して地域と隔絶された孤独な世界。ある時、病室からインターネットに接続することを思いつき、早速パソコンを購入された。長い闘病となったが、電子町内会を通じて自宅にいる時とまったく同様に四季折々の地域情報(写真含む)に接し、地域の人々との情報交換が可能となった。「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川・・」と歌われる美しい故郷。この心は、実は私たちが住むわが地域であり、「現在ただ今」この瞬間にあるのかもしれない。電子町内会で私はこのことを学んだように思う。
以上
第1回 牟佐町内会運動会の様子
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