● 防災診断実施日 ・平成10年5月12日
● 協力者 ・社団法人、地すべり対策技術協会中国支部、
支部長、高橋 尚城様(元、岡山県砂防課長)
・岡山市河川港湾課、防災対策室、津高支所、その他
(1)災害の種類
1.土石流
2.地すべり
3.急傾斜地崩壊
(2)急傾斜地とは
1.斜面角度30度以上
2.高さ5m以上
(3)急傾斜地崩壊危険(箇所、区域)指定
1.上記の急傾斜地で、しかも、上や下に民家が5戸以上ある場合
2.人口斜面の場合は、☆「危険箇所指定」ですが、☆ 防災工事の対象外
3.自然斜面の場合は、☆「危険区域指定」で、 ☆ 防災工事の対象となる
● 桃園の場合は、下記現状で「危険箇所指定」
1.3区の法面は、 傾斜角約40度、高さ約15m
2.4~5区の法面は、 傾斜角約45度、高さ約25~30m
3.両者何れも、 上下に民家5戸以上で、人工傾斜地の為
(4)法面の犬走りについて
1.普通、斜面の高さ5mごとに設けるが、
● その目的は
2.斜面に強度を持たせるため
3.崩壊を部分的に止めるため
4.長さの方向に勾配をつけ,降水を早く流下させるため
(5)斜面崩壊時の土砂流出範囲
1.普通は、高さの半分程度
2.時には、高さの1~2倍のこともある
(6)急斜面防災上の注意
1.斜面の一ヶ所に集中的に水が流れるのを防ぐのが一番肝心
2.1時間当り、20mm、総雨量100mm以上となれば、要注意
1時間当り、30~50mm、総雨量200~300mmの集中豪雨ともなれば、厳重注意
3.簡単な降雨量の測定法
清酒ワンカップの空き瓶の深さは100mmのため、これを庭先において、その水の高さを
測れば1時間当り、或いは、総雨量など、手軽に測定できる
(カップが一杯になれば要注意)
4.平素から、法面の情況や、関連側溝などの保守点検などを怠らない
(7)斜面の樹木について
1.以前は何にも植えない裸が一番よいとされていたが
最近では、防災工事においても、工事などに支障が無く、崩壊などに悪影響を与えない
樹木などは環境緑化の観点、また、土砂風化防止の観点から、積極的に残している
のが現状とか
2.なお、一般斜面においては、自生している草や、背の低い広葉樹などは良いだろう
3.しかし、松・杉・檜などの針葉樹は、台風時に揺さぶりを受け、また、比較的根張りが悪く倒壊
しやすく、土砂崩壊の誘引になるので好ましくない
4.更に、竹は、横への根張りは強く、地震などには強いが、深さの方向の根張りは浅く、
表層滑りには弱く、好ましくない
(8)町内の、「奥田又池~市の所有」も、危険溜池に指定されていますが、
毎年1回、専門業者に依頼して定期点検を実施しているとのこと
溜池の場合は、余水吐け(オーバーフロー)を塞がないようにする、これが一番大事とのこと
(9)その他、参考事項
・桃園ハイツ全体が、花崗岩質で、比較的水はけがよく、斜面保持力も強いが、ある限界
に達すると脆く崩壊するとのこと
・急斜面の崩壊は、上部が被さった地形、桃園のような傾斜角40~50度付近が一番危険
との事ですが、要は、法面に集中的な水の流れを防ぐ事です
※ 以上が、指導の内容ですが、今後ともこれを参考に、町内防災会でも種々対策を練り、
防災に万全を期す予定ですので、皆様の積極的なご支援ご協力を切にお願い申し上げ
る次第です
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