12号台風と
笹ケ瀬川の洪水


 平成二三年九月三日(土)は、親子土曜塾の日であったが、折からの台風で子ども達は来ないだろうと、十月にある小学校のバザーの準備をしていた。雨が激しく降り所謂吹き降りで、ベターライフ御南では、雨漏りが始まり、バケツを受けて対応した。
来ないはずの子ども達が来て、御昼過ぎまで一緒にすごした。朝一に洪水を心配した消防団の桐野部長が電話を下さり、ベターライフにも来て下さった。
 家に帰って防災情報メール配信を見ていると、時間を追う毎に心配な状況になってきている、そこで桐野さんに電話すると土嚢作りをしているとの事で私も直ぐに合羽に着替えて参加した。
 
この十二号台風では、笹ケ瀬川流域でも氾濫が発生したところがあり、全国的には、多くの不幸が出た。御南学区では大災害にも至らず、騒ぎが収まったことには感謝すべきであるがいくつかの考えておくべき問題がある。以下に述べることとする。

 1.役所の対応と地域の対応
 今回の災害は、平成16年の災害に比べて、ややスムースに対応できたのかと感じた。しかし、岡山市、岡山県、農水省間の連絡の悪さは、改善されるべきだと思う。
 

 事例1 携帯電話に表示される勧告や指示に対しての質問、河川の水位や締め切り堤防の水門開閉についての質問について、市では即答できない。地元対策本部である町内会長からの質問に即応できない水防本部では、駄目であると考える。もう少し対応できる職員を増やし、IT技術を取り入れ、市民に対して開示可能なものは開示し、職員が画面を見ながら即応できる体制を作るべきである。

 事例2 御南小学校区に避難指示が出たのは、十八時の事であり、岡山県防災情報メール配信に出たのは、二十時の事であった。 

 事例3 児島湖水門の開閉についての問い合わせや、避難指示解除の問い合わせには、的確なすばやい回答はなされなかった様だ、地域の対策本部で対応に困っている場面があった。又、9/4午前5時半には。避難指示解除の水位280cm以下になったにも拘らず、解除の指示が出たのは、午前7時半の事であった。町内の本部の解散は午後11過ぎであったが、幹部や消防の方々は零時を回ってから解散された。
 9/6に読んだ佐藤県議のメールによれば、水門の開閉管理は、岡山県の管理下にあるとのことである。今年は、昨年に比べて笹ケ瀬川の水位が高く、担当者の交代でもあったのだろうかと感じていた。

 事例4 今回の水位上昇は、H16年にもまして早く、増水量も多かった。笹ケ瀬川の内面用水の増水も想定したよりも多く、備蓄してある土嚢用土砂だけでは不足し、蟹八幡宮と、ベターライフ御南の砂場の砂にも手をつけた。真砂は水を含んで扱いにくかったが、砂は袋から容易に水が抜け積み込みも容易だった。今回久米町内の範囲で堤防に土嚢を積んだ箇所が3ヶ所あり其の1ヶ所は、白石橋の上手であった。白石橋上下50mは、堤防改修の計画からはずされていて、これまで不安だと言われてきたが、これから後この場所も含めて計画を進めていく必要があると強く感じている。

 事例5 御南学区では、下水道マンホールや、浄化槽に浸水し、汚物がトイレや庭に出てしまった家庭も多かった。和氣市議の支援もあり、岡山市の環境部門が、衛生環境の保全に動いていただけることになったが、これからも想定される洪水であり、当局としては、水が引き次第地域に入り、作業が出来る体制の準備が必要だと思う。


 2.一方地域住民として平時に対策を立てておくべき点も幾つかあった。幸い久米の町内は、消防団の活動が活発で今回も御世話になった。問題を以下に述べる。

 その1 内面の農業用水 久米の用水には、座主川経由で旭川から水が来ている。又、高梁川からは、12ヶ郷用水を経由して水が入っている。そして各家庭からの汚水の流入もあるし雨水の流入もある。農業にとっては大事な水である事はわかるが、台風が接近する前日には、導入を止める処置が出来ないのかと思うし、同じく前日には、用水の水位を出来るだけ下げておくことも出来ないのかと考える。

 その2 避難指示が発令された時、久米の町内の道路が冠水し膝下まで水がある道路が数箇所あった。普通の時は気が付かない道路状態となっていて、御南小までの避難が困難な場面があった。これを機会に町内の危険マップも作り周知させる必要がある。

 他にも考えるべき事柄か多いと思うが、災害時の対応を考えるたたき台として、思いを書いた。

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9/3土嚢作り作業  9/3 久米 新菊屋前の川 撮影直後水は氾濫寸前までに増えた
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9/4Hキーウエストの前の土嚢  9/4新菊屋前の土嚢
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9/4御南大橋北側の土嚢 ここは水が堤防を越えた 9/4昨年から居ついているアヒルたちも水が引いて一安心
 文責 佐藤芳範