備 中 神 楽 面 を 彫 る
 

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 ■ 川 上 一 米  2005年12月25日      
制作中の川上さん

寛山流 備中神楽面彫り師

川上 一米(はじめ)さん  [銘:一桂]

         1933.11.22 生まれ

玉柏2052 (平瀬地区) 在住


現在、山陽新聞カルチャープラザ倉敷教室講師。岡山シンフォニービル階の岡山県観光物産センターに作品を展示、販売中。

「神楽の面彫は、定年退職が近づいた平成年頃、習い始めました。
父が備中神楽の盛んな北房町(現在:真庭市)の出身だったので、幼い頃よく神楽を見に連れて行ってもらいました。
その光景が頭にこびり付いていたのでしょう。舞う方は無理だから、神楽面を作ってみようと考え、始めました。
庭に建てた作業場で、桐材にのみを当てている時が、なんとも言えない至福の時です。一面を作るのに、大体ヶ月かかります。」






 ■ 備 中 神 楽 面       

左より、大国主命・思兼命・猿田彦命
右から、猿田彦命・思兼命・大国主命の神楽面


● 猿田彦命 (さるだひこのみこと)
天孫降臨の際、神々を出迎え先導した神で、白のシヤグマをかぶり腰に刀・両手に扇を持ちテンポの早い勇壮な荒舞いで知られる。


● 思兼命 (おもいがねのみこと)
天照大神を天の岩屋からお出ましを願う方策を考える思慮分別深い神。

● 大国主命 (おおくにぬしのみこと)
命が経営する出雲の国を天照大神に捧げ奉るというこの神話の主人公。文武両面に長けた福徳円満の神。




● 事代主命 (ことしろぬしのみこと)
大国主命の第一子。童顔で華やかな衣装をつけ鯛釣りの仕草で軽快に舞う。国譲りを父大国主命に進言する。

● 建御名方命 (たてみなかたのみこと)
大国主命の第二子。国譲りに反対の命は鬼面の形相ものすごい姿で両神と大立回りを演じ、ついに力尽きて信州の諏訪に追放される。

● 経津主命 (ふつぬしのみこと)
天照大神の使者として高天が原から大国主命のもとにやって来る。弁舌爽やかな知将。

左より、経津主命・建御名方命・事代主命
右から、事代主命・建御名方命・経津主命の神楽面

岡山県観光物産センターにて(岡山シンフォニィビル 1F)
左の写真は、岡山県観光物産センター(岡山シンフォニービル 一階)に展示中の作品です。



 ■ 備 中 神 楽 に つ い て        

備中神楽は
古くから備中地方を中心に受け継がれた荒神 (自然の偉大な力を表現し、時には恐ろしく荒れ狂い、時には 優しく恵みを与える) の 魂を鎮める神事として 「荒神神楽」と呼ばれていました。

江戸時代になって、神官であり国学者でもあった 西林国橋(岡山県出身 1764~1828)が古事記・日本書紀の神話を元に、三編の神能劇を創案した「神代神楽」をとり入れ、現在のような郷土芸能としての 神楽が成立したと言われています。

昭和54年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、日本を代表する伝統芸能として世界の各地に紹介されました。

この神楽に用いられる面は、桐材で彫られ古くは神職によって彫られていたと言われるが、今では神楽太夫・彫り師などに引き継がれています。






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