自主防災組織リーダー研修会について
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 2004年2月9日、10日の2日間、岡山県消防学校におきまして(財)日本防火協会と岡山県主催の自主防災組織リーダー研修会が開催されました。私ども橋本町は全世帯数35世帯の小さい町内会ですが、昨年の年末に自主防災組織を作ろうということでできました。

 最初の活動ということで、この2日間の防災研修に参加することとなりました。平日の2日間ということで定年退職者2名が選ばれまして、たかが消火訓練と救助訓練ぐらいだろうと気楽な気持ちで行きましたが、これがとんでもない甘い考えで、別に訓練そのものが肉体的に耐え難かったというのではなく、訓練の内容が非常にショックな内容のものでした。
 ここでの訓練が南海地震、東南海地震を想定したものだったのです。不安を煽るだけでは困りますが、ある程度確実視されているとすればそれに備えての対策と訓練をしておかなければ、いざというときに頭が真っ白になり慌てふためき、果てはただ我がためばかりを考えていたのではだめですよということです。
自主防災組織リーダー研修会の様子一日目DIGの演習です
     
 それではこの南海地震、東南海地震がいつ頃起きるかといいますと、2035年プラスマイナス10年と言うことですから2025年から2045年の間にマグニチュード8以上の巨大地震が起きると言うことです。もちろんこの間に必ず起きるとは限りませんし、東の東海地震が起きると言われて久しいのですが、この東海地震はここ10年で起きると言われていますので東海地震が起きればこれに誘発されて南海地震、東南海地震も併せていっぺんに起きる可能性もあります。そうなると西日本の海岸地帯は総崩れになる可能性があるそうです。


 研修で一番印象が強烈で感銘を受けたのは2日目の神戸市民防災研究所所長 井上哲雄 氏の話でした。7年前の阪神淡路大震災実体験を元に語られる言葉は実にすさまじく辛辣そのものでした。 
自主防災組織リーダー研修会の様子班に分かれての討論
     
 大災害の場合はこれは非常に重要なことですが、まず自治体、消防を当てにしてはいけない、と言うよりも当てに出来ないということです。最初、岡山県の行政の方も居られる前でこの先生は何をアホなことをのたまうのかと思いましたが、よく考えてみますと自治体の救援能力、消防の消火能力、救助能力をはるかに超えるような大災害の場合は実際の話当てにできないのは当然なのです。阪神淡路大震災では現実にこのことが起こったのでした。

 それでは我々地域の住民は何を当てにすればいいのでしょうか。答えは否です。何も当てに出来ないのです。不幸にも予想が的中して南海・東南海巨大地震が起きたとします。そして建物の下敷きにならず運良く生き残ったとします。我々は何をすべきでしょうか。元気な男子は決して避難してはいけないのです。よく防災演習のこととなりますと学校とか公園とかが避難場所に指定されて、まずそこへ避難しなさいと言われていますが、もう一度強調しますが決して避難してはいけません。
自主防災組織リーダー研修会の様子 三角巾の使い方の訓練
      
 それでは避難せずに地域の現場に残って何をするのでしょうか。ここが一番重要なところですが人命救助です。建物が倒壊して下敷きになっている人たちを、地域で元気で生き残った人たちが助け合って人命救助をするのです。最初の2時間から3時間が勝負です。災害が起きてほとんどの人が頭が真っ白になっていると思います。がしかし出来るだけ早く自分を取り戻して皆さんと力を合わせて家屋の下敷きになっている人を助けないと、ただ救助を待っていても誰も助けにきてくれないのです。もちろんけが人の手当もありますし、赤ちゃん、子供、お年寄りの人は避難場所へ避難させなくてはなりません。食べ物・飲み物の心配はあとのことです。

 井上氏の話は大体以上のようなものでした。地震が起きても建物の倒壊もわずかで道路も不通箇所がわずかであればこんなことにはならないと思いますが、阪神淡路大震災のようなことにもしもなればということです。それが2035年プラスマイナス10年で起きる可能性が非常に高いということです。
自主防災組織リーダー研修会の様子人形を使っての蘇生訓練
       

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