2010年1〜5月
   岡山市   原 自然情報    
岡山県自然保護推進員  十川 巡一


      3月30日 高倉山の桜の様子です。
      まだ、寒そうな山に見えますが、ヤマザクラがたくさん咲いていました。




  上の写真の○印の場所に咲いている
  山桜です。
  ここだけでも、これだけありました。

 ビオトープを作り直す
 1月25日湿原や池の周りの草や女竹を刈りました。イノシシに荒らされ、穴が開いて水が溜まらなくなったので、2月2日に池の周りを掘って堅いビニールの帶を埋めて土をかけ、池の底を掘り池の周りを高くして固めました。もう少しで出来上がりです。2月6日にやっと池は出来ました。池の側の谷川からイノシシが入って来るので、前回造りかけにしていた柵を2月9日に仕上げてやっと出来上がりました。池の土手にはフキが増え、たくさんのフキノトウが採れました。毎年刈って土手をきれいにしていたら5年ほど前からタラノキがはえ、タラノメもたくさん採れるようになりました。
2月2日もう少しです 池の長さ13m 幅約2.7m

2月6日に完成した池 水深約30〜40cmです

2月9日に完成した垣根

2月16に掘った湿原


 カスミサンショウウオが卵を産んだ
 2月25日にカスミサンショウウオが卵を産んでいないかなあと思って山に行って探してみると、びっくりしました。昨年までは4匹分の卵しかなかったのですが、枯れ木に産み付けたのが7匹分岸辺の女竹や枯れ葉に産み付けていたのが8匹分ありました。穴のように見えるので卵のついた枯れ木をソートよけてみると、カスミサンショウウオの雄がいました。雌は卵を産むとさっさと山に帰っていきますが、雄はしばらくの間卵を守っています。また、他の雌が来て卵を産むと、受精します。自分の子孫を出来るだけたくさん残そうとしているのでしょう。池の土手にもたくさんのフキノトウが出始めていました。もちろん採ってかえってウドと一緒に天ぷらにして食べました。
枯れ木に産み付けられた7匹分の卵



卵をよけてみるといた
カスミサンショウウオの雄
穴は私の足跡でした

枯れ葉に産み付けられていた卵

草の根元に産み付けられた卵

池の土手のたくさんのフキノトウです



 卵が増えた

 3月13日に行ってみると、卵が増えていました。もう、嬉しくてたまりません。他の場所はどんなだろうかと見てみると、ほとんどのところが増えていました。
上の湿原と池の様子


草の根元に産み付けられた卵も
増えていました           


草の根の場所も増えていました

両方合わせると15匹分です

枯れ木の場所は16匹分になっていました

ニホンアカガエルの生まれたての
おたまじゃくしです
池の谷川側で見つけた一輪草の芽です
10本ほどありました 嬉しい事だらけです

 また、卵が増えた
 休みが待ち遠しくてたまりません!3月16日の休みにさっそく行ってみると、今度は上の湿原のたまり水を見ると、なんと3ヶ所に、8匹分の卵がありました。今まで産んだことがなかったので、びっくりしました。イノシシがヌタをうってくれてなかったので、自分が大きなたまりにしたのが良かったのでしょう。嬉しいかぎりです。
分かりにくいのですが上の3ヶ所ですこんな感じで産み付けられていました

一番たくさん産み付けられた場所


また増えました
枯れ木の上にも産み付けられていました

3月の27日に行ってみると、上の湿原の右から
2番目の場所が2匹ふえ4匹分になりました

上から見た池の様子です
フキも伸び始めました

池の手前にもイチリンソウがありました


最初に見つけたイチリンソウが
蕾をつけていました

池の傍では
ナガバノタチツボスミレが咲き始めました

山の中ではヒサカキの花が、
この花に春を感じます

ニワトコの花が
いつもより10日ほど早く咲きました

コンロンソウも咲いていました


3月の30日に行ってみると、
カスミサンショウウオが生れていました。
7mmほどの幼生です

ニホンアカガエルのオタマジャクシも
次々と生れています。
にぎやかになることでしょう

イチリンソウの蕾が3日ほどで
膨らんできました

 4月13日山菜取りに
2週間ほど行くことが出来ませんでした。早く行きたくてたまりませんでしたが、やっと行ってみると池の周りでは春まっただ中でした。花も咲き、山菜の女王タラノメもたくさん採れました。
池の横のフキも大分大きくなっていました

タラノメも出ていました

待っていたイチリンソウもやっと咲きました

リュウキンカも咲いていました


 5月18日カスミサンショウウオの幼生を探しに行く
4月22日にも行ってみました。池の中を見てみましたが見つからず、アミをもって行ってなかったので探せませんでした。5月11日に行ってみると、コガモが2羽飛びだしてきたのでびっくりしました。水も濁っていたのであきらめて帰りました。18日に行ってみると水もよく澄んでいたので、枯れ葉の下をそーとすくうと、いました。約3cmに育った幼生を確認できました。たくさんの卵でした。昨年は4匹分しか確認できませんでしたが、今年池をきれいに作り直したおかげで、40匹以上のカスミサンショウウオが産卵に来てくれました。とてもよい年になりそうです。
フキも60cmぐらいの長さになり大きく育っていました。池も適当に木陰が出来、
カスミサンショウウオの成育にも良さそうな環境になっているようです。

カスミサンショウウオの幼生が
大きくなっていました。

池のそばに生えている2本のアベマキはきれいな斑入りです。


 カスミサンショウウオの幼生はどのくらい大きくになったか?
5月25日に行ってフキを採っていると山でよく鳴いていたシュレーゲルアオガエルがフキの葉の日陰のところにいたので、あわててカメラを取りに引き返し写しました。鳴き声はよく聞こえていたのですが、全然姿が見えませんでした。今日はついていました。ここで見たのははじめてでした。フキをとり終えて、一番の目的のカスミサンショウウオです。4匹捕まえました。大きいのが4cmの大きさでした。

カスミサンショウウオの幼生、前回に比べると大きくなっていました。一番上のはたぶん仲間に尾をカジられたのでしょう。生れるとすぐに共食いをします。自然界は厳しいのです。

アマガエルよりもひとまわり大きい
シュレーゲルアオガエルです
少しぼけていますが、横から見た幼生です。