2006年8月
   岡山市   原 自然情報  パート2  
岡山県自然保護推進員  十川 巡一


 旭川河川敷の昆虫と植物

 カメラを持って旭川へ行ってみました。護岸工事できれいに並べられた岩の上にコヤマトンボやオナガサナエがとまっていました。中原橋上流の川岸には柳や色々な植物がはえています。大きな柳の蔭にはハグロトンボやアカトンボの仲間がいました。近づくとすぐ飛んで逃げるトンボも、暑さのせいか少しづつ近づいていくと身動きしませんが、木陰にいるトンボは近づくとすぐ逃げてしまいます。しかし何とかみつけたものはカメラに写すことがで来ました。
身動きしないコオニヤンマ(サナエトンボ科) オナガサナエ(サナエトンボ科)

 今まで旭川で見たサナエトンボの仲間は、キイロサナエ、アオサナエ、タベサナエ、オジロサナエ、オナガサナエ、コオニヤンマ、などです。やまの方にいくと、オグマサナエ、フタスジサナエ、ヤマサナエなどが見ることができました。家の前ではホンサナエが沢山いたこともありました。

コフキトンボ(トンボ科) ハグロトンボ(カワトンボ科)   
マユタテアカネ♂(トンボ科) ジャノメチョウ(ジャノメチョウ科)
ヘクソカズラ メリケンオグルマ
アカメガシワの実 クルミの実
   
 磯尾谷川の生き物と花や木の実

 同じ日の昼から谷川や休耕田がある所に行ってみました。色々な木の実をみつけました。まだ緑色をしているものが多くありました。谷川の中を歩いて生き物を探してみました。最初にみつけたのは、歩きにくそうにヨタヨタしていた脱皮してまがないサワガニでした。写真を撮ってから何かおかしいぞと思い捕まえて見ると、何とハサミが大きいのが三本、中くらいのが二本、口のすぐ旁に小さいのが1本、全部で六本のハサミがあるではありませんか。これにはビックリしました。ここまで無事に大きくなったものだと感心し、谷川の中にそーっと帰してやりました。

まだ体が柔らかいおかしなサワガニ ハサミが六本のサワガニ
まともなサワガニ 石垣の隙間にいるサワガニ

 谷川の石をはぐってみると、必ずといっていいくらい小さなサワガニがいました。カワニナも沢山いました。カワムツも数匹固まって泳いでいました。きれいな水に棲息するといわれている生き物ばかりです。ということは、きれいな水が流れているということです。
 また、花が咲いていた木も、いつの間にか実がなっていました。
 野山を歩くと、本当に時の流れているのを実感します。

カワニナ

オオシオカラトンボ♂(トンボ科) オオシオカラトンボ♀(トンボ科)
中央の枝にコオニヤンマの♂
(サナエトンボ科)
ウラギンシジミ(シジミチョウ科)
ジョロウグモの巣にかかった
ベッコウハゴロモ
ルリシジミ(シジミチョウ科)

 谷川の旁にある休耕田では夕べ遅くイノシシが来たようです。昨日谷川に来たときにはなかったのにイノシシがぬたをうった場所ができていました。ということは時々夜に来て穴を掘り、転げ回っているようです。
上から見たぬた場 前から見たぬた場
コマツナギ 咲き始めたワレモコウ
ミゾソバ 高砂百合
クリの実 ヨウシュヤマゴボウの実
ノグルミの実 フユザンショウの実
ネムノキの実 ナナミノキの実(ナナメノキ)
テイカカズラの実 ナンテンの実

若宮八幡宮に来てみました。
 また、お宮に行きました。門の横の砂地に沢山のアリジゴクがありました。一つ犠牲になってもらい、巣の下に竹べらを突き刺し、すくい上げると出てきたのはウスバカゲロウの幼虫でした。穴に落ちてきたアリを、二本のあごで砂をかきあげズルズルと落とし、アリを砂の中に引っ張り込み餌にします。また前に写せなかった蜂にも出会いました。捕まえて色々調べてみました。岡山版レッドデーターブックに留意種としてのっている最近少なくなったハチで、オオホシオナガバチといいます。

オオホシオナガバチ
前に行ったとき写せなかったハチです
アリジゴクが沢山ありました ハチの長さは頭から尾の先まで約10センチ
このアリジゴクの巣を掘ってみると 体を真直ぐに延ばしたときの体長は約4センチ
ウスバカゲロウの幼虫 タマムシ