「原の自然情報」  2004年7月


岡山県自然保護推進員  十川 巡一

〜〜〜〜〜夏のトンボが飛んでいます〜〜〜〜〜

ウチワヤンマ
 6月下旬から飛び出しました。写真1は池に棲息するト ンボと思われていますが原では旭川に数多く棲息しています。護岸の上で羽化殻も見つけました。交尾してすぐに連結産卵をしているところを見ました。旭川の 両岸にいます。流れのゆるやかなところで、羽化して間がないウチワヤンマがが柳の木に沢山とまっていたのを自然観察会の時に見ました。同じく池のトンボと 思われているオオヤマトンボも旭川で産卵しているのも見ました。観察会の時には多くのヤゴも見つけました。羽化殻も川の中のヨシがはえているところで見つけ、私のアトリエに保管しています。
ウチワヤンマ

写真 1 ウチワヤンマ♀

ヤブヤンマ
写真2は4月下旬に、ある水たまりで見つけ飼っていると 6月中旬に羽化したものですが、原から大久保にかけて棲息しています。朝夕に餌を求めて飛び回りますが、昼間は薄暗い木陰で休んでいます。雄は成熟すると 複眼が奇麗な水色になります。
ヤブヤンマ

写真 2 ヤブヤンマ♂

チョウトンボ 
ヒシが沢山はえている池に棲息しています。ヒシに産卵を します。もともとヒシはその実が食べられるため、昔人の手によって植え付けられたものですが、もし人の手によって抜き取り、生えなくするとその池では二度 と見ることが出来ません。6月中旬から池の上を飛ぶようになりました。ひらひらと翅を動かしまるで蝶のように飛びます。そのためチョウトンボとなずけられ たのです。また、後の翅が普通のトンボよりも幅広くなっているのが特徴です。写真3
チョウトンボ

写真 3 チョウトンボ♂

オニヤンマ
6月上旬から飛び始めましたが、数は少なく、あまり見ることが出来ませんでしたが しかし、7月に入るとよく見るようになりました。メスは体がオスよりも大きく約11cmぐらいにな り、オスは9cm前後です。オスは山すその道の上を往復して飛び時々木陰の木の枝などにとまって休 みます。メスが飛んでくるとスゴイ早さで飛び上がり捕まえて交尾し、その後メスは単独で産卵します。毎年8月中旬を過ぎに産卵をするのを見ていましたが、 今年は7月11日に産卵をしていました。水の浅い流れのある土底に産み付けます。産卵の時は人がち かずいても逃げません20cmぐらいのところでシャッターを押しても夢中で産み付けています。写真 4
オニヤンマ

写真 4 水底の土に産卵しているオニヤンマ♀

幻のトンボ、マ ルタンヤンマ
 牧石学区ではまだ見つ かっていませんが、時々探しに行っていました。いると思うのですがなかなか見つかりません。
 マルタンヤンマは朝早くと夕方に林の中から飛んで出て高い所を飛んでいる虫を捕まえて食べます。この写真を撮った場所では午前10時ごろから次々と飛んできて細い木や枝につかまって休みます。高い所にとまると云われていますが、50cmから1mぐらいの低いところに多くとまりま す。昼過ぎて日があたってくるとまた移動するようです。マルタンヤンマの休み場所はなかなか見つかりません。マルタンヤンマが休む場所には、ヤブヤンマ、 ミルンヤンマ、コシボソヤンマなどもやって来ます。

 写真1は約1mの 所で休んでいるマルタンヤンマの♂です。約20cmぐらいちかづいて何枚も撮りました。動植物で良 い情報があればお知らせください。
マルタンヤンマ

写真 1 上からのぞき込んで写したマルタンヤンマ♂

マルタンヤンマオス

写真 2 マルタンヤンマ♂、7月19日採集



マルタンヤンマメス

写真 3 マルタンヤンマ♀、7月19日採集