第 6回今村地区に残る古民家

 
今回は、地区内に残る古民家や建築様式について述べます。

 1.民家の建築様式

 左の写真①の住宅は、辰巳にある典型的な旧農家です。家は南向きで南と西は瓦を葺いた一部は、白壁の重厚な塀で囲まれています。電柱の東にあるのは白壁で焼き板を張った蔵です。
車の北に門の棟が見え、その東に農機具等を入れる納谷(倉庫)があります。一番高い棟が母屋です。母屋の前には大きな石や植え込みがある庭園になっています。門を入ると玄関があり、その東にひやの棟があって、棟が6つもある立派な住宅です。
 左の写真②は、明治時代から昭和の初期まで、各地でよく見受けられた典型的な住宅です。2階の窓の形となまこ壁が特徴で日本の建築美の一つです。
なまこ壁と言うのは、壁の保全のため表面に平らな瓦を斜め90度に貼り付けて、「めじ」と呼ばれるその継ぎ目を漆喰(しっくい)で固めたもので、その盛り上がりの形が海鼠(なまこ)に似ているところからその名がついたといわれています。また火災の延焼をくい止める効果があったといわれます。
 左の写真③は、上と同じ時代に建築された白壁となまこ壁を持った土蔵です。もう一つは、
下部の壁が焼いて表面が炭化した杉板を使っているのが特徴です。これは風雨による腐食を防ぐのが目的のようです。これは土蔵だけでなく塀や住居の壁にも用いられています。先人の素晴らしい智恵だと思います。
もつ一つの智恵は表面から見えませんが、焼き板の内側は竹を細かく割って、それは細いわら縄で編んだものに、裁断した藁を入れた泥をしっかり塗って暑さ寒さを防ぎ、また防火の役割もしています。
この白壁となまこ壁と焼き板の黒が対照的で美の表現となっているのです。倉敷の美観地区を思い出してください。
しかし写真②の年代の建物は、長い年月のため次第に傷んで崩れかけているものが沢山あります。後継者がいなくなったということも考えられます。

2.少なくなっていく旧建築様式

 ④  ⑤
現在の民家の建築様式は、上の写真④、⑤のような重厚な瓦葺や土蔵のあるものは少なく、ましてや家紋のあるものは皆無といっていいのではないかと思います。
それだけの民家の持つ建築美だけでなく、家紋のある建築も日本文化の特徴と考えていいのではないかと思います。
 ⑧  ⑨
上の写真⑥⑦⑧⑨は、傷んで壊れかけている古民家の母屋や土蔵です。写真⑦~⑨の土蔵の家はだれも住んでいない民家です。写真⑥は、住んでいる人はいるが、後継者がいないのか補修しないで崩れていく民家です。時代の流れとはいえ、このような民家が目につくようになり寂しさを感じています。
 2014年6月18日 文責―中桐
平成26年6月20日更新
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