我が家の古井戸物語

投稿日:2024年8月18日

私が小学生高学年の頃の夏の風物詩はいろいろあった

里山から切ってきた笹に短冊をぶら下げ、そこに書かれた短い願い…お宮近くの小さな川でのホタル狩り、蚊帳のなかを乱舞する蛍の光…盆明けの亡き兄の精霊流し…井戸で冷やしたスイカの冷たさ…いろいろな夏の風物詩!

そのうちのひとつが”井戸そうじ”だった

まだ簡易水道管が引かれておらず、まさに井戸はご近所の”命の水の配給所”だった

年に二度、お盆と年末の”井戸そうじ”の準主役はチビの僕だった❗️

狭い井戸の底に入り側壁を洗い、底の砂利石を浄める汗だくの難儀な作業…井戸底をのぞきこむ大人におだでられ…実力以上の汗だくの大奮闘!

そうじが終わり川本ポンプの再稼働、水を注ぎポンプの柄を上下動する”呼び水”オペレーション…水が筒先からじわじわ出てくる…

ここで僕のミッションコンプリート‼️近所の人の拍手を浴びながら梯子を登る僕は有頂天…

その後の井戸と風呂場のバケツ運搬20往復もサボれなくなった…

暑い夏、毎年この頃、何故か”井戸そうじ”を思い出す…

今は使われなくなった古井戸、ポンプは外され、蓋をされ、整地した実家のかたすみで又の出番を待っている…

川本ポンプの古びた手押し柄を思い出すと申し訳なさがこころをよぎる…我が身に重ねて…

記 北公民館ジェントルマン喫茶常連客 福森芳郎

カテゴリー:おん野の滴

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