おん野の滴
投稿日:2022年12月15日
エッセイ 福森芳郎さん
事実と真実 そのー1
瀬尾孫左衛門の真実
今夜12月14日、忠臣蔵・
大石内蔵助以下47士の討ち入りの日
討ち入りの夜のちょうど今どき(このラインが届く頃)、6名の者が集合宿に来なかった、いろいろな事情で姿をくらました
瀬尾孫左衛門もその内のひとり
長年、家老大石内蔵助の下僕として勤め上げ、武士になった真面目一徹の下級武士だったが・・・
討ち入り当夜、姿をくらました
命惜しさに逐電(逃げる)した卑怯者と同士から疎まれ蔑まされた
武士の恥さらしとして長年
さらされてきた
武士の風上にもと・・・
姿を消してから17年
大石内蔵助の17回忌の法要の席に孫左衛門が姿を現した
罵る昔の家臣仲間の前で
その真実が明かされた
討ち入り前夜、孫左衛門は内蔵助に秘かに呼ばれ、密命が言い渡された
内蔵助の隠し子の行く末を見守って欲しいとの最後の願いを孫左衛門は承った
17年間、世間から蔑まれながら、身分を隠し、商人に身をやつし、その娘を育て上げ、嫁に出し、使命を果たした
その真実を知った昔の仲間や世間の人は、孫左衛門に土下座をして詫びた
嫁入りを確認した孫左衛門は、殿と大石内蔵助の仏壇の前で切腹、48人目の義士として仲間のもとに馳せ参じた
そして毎年のこの日、多くの日本人の心にその心粋を
偲ばせる男になった
他人と過去は変えられないはまことか!
事実ではそうかもしれない
しかし真実は過去を変える
そして他人も未来も!
孫左衛門は今も生きている
生きるとは、こういうことかも知れない
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なお、瀬尾孫左衛門役は
役所広司です!
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