「ふるさと平井」シリーズ№39を掲載

投稿日:2022年1月15日

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平井学区コミュニティ協議会発行
「ふるさと平井」から
(シリーズ№ 39 p.287-295)

       第8章 ふるさと探訪

   1.元町・元上町方面を訪ねて

倉安川平井水門跡  (57ページ)
県道岡山ー玉野線元町の押しボタン信号の西、地神様の側の橋が平井水門のあったところである。水門の上に樋門小屋が建られていて、中に樋門を上下する仕組みが見られた。しかし、この樋門小屋は昭和20年の空襲で焼失した。
倉安川は、吉井川と旭川をつたないだ運河である。旭川の出入りロにも2基の水門で水位の調節をしていた。桜橋出口を網浜水門といい、南へおよそ600mの真っ直ぐな水路をとり、元町に平井水門が造られた。この間が船持ち運河である。
三蟠軽便鉄道・湊駅跡  (109ページ)
県道岡山ー玉野線元町バス停留所と専光寺の間、道路の北行き左車線の中央付近にあった。
専光寺  (237ページ)
この寺は、昭和9年岡山市柳町に開所された浄土真宗の寺で昭和55年に現在地に移動してきた。
※ この近くに安産岩(おさんいわ)があったが今は専光寺入口付近に埋もれたらしい。
鯛(たい)釣岩
専光寺北側の道路に近く張り出した岩。
※ 鯛釣岩の東へ広がるこの山を古くから帆干山と呼んでいる。昔はこの辺りも海であったことがうかがえる地名である。
題目石  (260ページ)
鯛釣岩から、専光寺の裏山を南に回り少し下ると、元町の題目石にでる。背の高い題目石と大覚大僧正の石碑がある。
権八井戸  (78ページ)
題目石の南、祇園用水沿いの道を東へ50m程の所から左にはいり、アパートの横の道を山の方へ少し歩くと、東よりの場所の家と竹藪(やぶ)の間に、ふたをして鎖のかけてある井戸がある。
平井権八が産湯を使ったと言い伝えられる。きれいな湧水でどんな日照りにも涸(か)れた事はないという。
不受不施派御先師墓所(山の上東側)と(下の西)の2箇所  (63ページ)
権八ゆかりの井戸から細い道を東へ登ると広い峠道に出る。峠の頂上にある駐車場は、平井が一望にできる場所である。少し下ったところを左に進むと上の墓所がある。正面に割った傷跡が見られる日奥聖人の墓石がある。
明治9年不受不施派が公認されたので改めてお祭りしたという。
下の墓所には、元禄(1688~1704)の頃からの歴代聖僧の墓石が見られる。
※ 轟山 (90ページ) 御先師墓所の南側付近の山。登って踏みならすと響くのでこの名が付いたという。
藻深谷  (89ページ)
上生院・南東の谷をいう。御先師墓所の北の付近でむかし海だった頃の入江の様子がしのばれる。
平井の清水  (83ページ)
御先師墓所を東へ下ると民家がある。その東側に、まわりが石畳で中央に約2m四方の石で囲んだ井戸枠があり、豊かに水をたたえている。昭和20年代まで酒造の業者が汲(く)みに来ていたという。
松寿庵跡  (61ページ)
清水の井戸の東に小さな井戸が2か所あり、その南の付近で、不受不施派の弾圧を逃れて、竹藪の中に隠れて布教をした跡という。
かいとう(街道)
峠の頂上を東西に通る道をいい、昔は両側に商店などがあり賑(にぎ)わったという。
血の池(そうた池)の跡
かいとうから東へ200m程墓地の間を進むと、別れ道の角に小さい池がある。源氏と平氏の戦いのときこの池で刀を洗ったのでこの名がついたと言い伝えられている。
馬の足型岩  (80ページ)
血の池から道を東へおよそ20m程の所、左側に大きな岩がある。この岩に馬のひづめの形のくぼみがあり、これを馬の足型岩と呼んでいる。
網浜茶臼山古墳  (25ページ)
馬の足型岩の北の小高い丘、今は古墳の上が墓地になっている。全長およそ90mの前方後円墳である。
※ 平井城のこと  (30ページ) 城跡は不明だが古墳の辺りか、その南に広がる台地付近らしい。
操山109号墳  (31ページ 25ページ)
網浜茶臼山古墳より南へおよそ50m余りの所にあるこんもりと盛り上がった付近で、昔から高山と呼び平井城の砦(とりで)跡ではないかという。
平井の市街地が一望にできるせまい高台である。
※ 近くにおぎん林とか、れんが藪等の古くから地元に伝わる呼称の場所がある。れんがと呼ばれたのは、そのあたりが赤土で、その土でれんがが作られたからではないかという。また突端(とっぱな)と呼ぶ尾根の突き出た展望のよい場所があったが、今は家が立ち、竹藪があって見えない。
奥聖寺  (238ページ)
操山109号古墳から南西に下ると日蓮宗不受不施派の奥聖寺がある。(昭和4年6月6日建立)
底樋  (54ページ)
元上町バス停留所のある所が、倉安川と祇園用水が交わる場所で、祇園用水が石組みのトンネルで倉安川の下をくぐっている。また、この場所で樋門によって倉安川の水を祇園用水に、祇園用水の水を倉安川に流せるようになっていて、下流の灌漑(かんがい)用水として役立っている。
※ 宮の前 元町(五軒屋)の東の端の山裾の畑のはずれから大きな石が並んでいたのを掘り出したという。この石組みがお宮かお寺のあったところではないかと言うことからこの呼び名が付いたという。(古老の話)

   2.旭川に沿って

額が瀬と春日の渡し跡  (88ページ 114ページ)
平井元町と七日市の間の旭川を昔から額が瀬と呼んでいた。
此処(ここ)には、古くから渡し場があって、お彼岸には、お墓参りをする人で賑わっていた。
柳原刑場跡の碑と矢田部六人衆殉教碑  (62ページ 85ページ)
元町から新堤防を少し南へ歩くと鉄塔横の土手下にブロック塀に囲まれ大きい殉教碑と、小さい刑場跡の碑が祭られている。
※ 刑場のあった場所は、新堤防外の少し上手の河川敷で、花崗岩の平たい礎石が残されている。
軽便鉄道の跡  (110ページ)
Ⅰ道床跡 バイパス元町の信号から南西に向けて約30mほど田んぼの中に土盛りがある。
Ⅱ鉄橋跡 眼鏡の学校の南・杉土手近くの用水路両岸に礎石が残っている。
杉土手鉄砲打小屋跡の石崖  (86ページ)
眼鏡の学校下手の杉土手(旧堤防)斜面におよそ20m程、古い石崖跡が見られる。古地図に「古田新兵衛鉄砲打小屋」と記されている。
この石崖のある場所を土地の人は、砲台場跡と呼んでいた。
足神様と題目石  (264ページ 259ページ)
杉土手を南へ約300m行くと、別れ道の角に大きな木がある。この木の下に題目石とその間に小さな瓦(かわら)社が祭られている。この瓦社が足神様である。此処には、地水両神を祭った石碑もある。
軽便鉄道跡(道床と上平井駅跡)  (111ページ)
足神様から東へ少し家の間を行くと、家並みの間の田んぼの中に盛り土の道床跡がある。そのすぐ北の辺りが上平井駅跡である。
えびす様と地水神様  (265ページ 255ページ)
上平井の新堤防から東の旧道へ下ると道端に石の祠(ほこら)と地水神碑がある。地元では、石の祠はえびすさまを祭ったものだと言われている。
妙楽寺前の題目石  (259ページ)
えびす様から少し旧道を東へ行くと旧堤防沿いに題目石があり、こが妙楽寺の参道入口になっている。
沖邑山妙楽寺  (242ページ)
旧堤防から参道を進むと本堂の大屋根が正面に見える。門の内側には右に題目石や清正公様の碑などがある。
平井山妙広寺  (36ページ 245ページ)
妙楽寺前の道を東へ、約100mほど行くと突き当たりに妙広寺の2階建の山門がある。広々とした境内には石庭や南西に藤棚のある子供の遊び場などが設けてある。
役場跡
妙広寺南門から真っ直ぐ歩いて、広い道に出たところを少し左へ行くと右に大きい駐車場がある。ここに平井村の役場があった。
(12)バス停横の題目石   (261ページ)
平井バス停横に、昭和34年に建てられた題目石がある。旭川で水難にあった人々の霊を弔うための供養塔である。
水門と沈床  (131ページ)
〇 平井バス停のすぐ南に、新堤防の下を用水が通り、外側に樋門がある。昔の樋門は、旧道の外にあった。
〇 引き潮になると川の岸からTの字型をした石積みがみられる。これを沈床と云う。平井を中心に桜橋の辺りから、下は浜中の辺りまでに19基ある。
おおがんぎ (大雁木)とセメント会社跡  (137ページ 150ページ)
〇 水門から少し南に行くと新堤防から河原に降りる坂がある。この付近に藩政下、船置き場があり船に乗り降りする雁木(石段)があったのでこの呼び名が残ったものと思える。
〇 おおがんぎから約30~40m南の辺りから、野球グランド付近までがセメント会社のあった所である。
新庄の池と八反地  (137ページ)
〇 河川敷のグランドの下に船置き場がある。これは大正8年に木材店が貯木場として造った池である。この池の名前の由来は、藩政下この近くに屋敷をもっていた新庄氏の土地へ造られた池なので「新庄の池」と呼ばれるようになったという。
〇 この船置き場付近から旭川大橋の下にかけての広い河川敷一帯を八反地と云った。
八反地の題目石  (26Oページ)
船着き場の東にあり、明治になって溺死者の霊を弔うために建てられたものである。
地神様と牛頭天王  (254ページ 256ベージ)
旧堤防に沿って土手町内には、地神様と一緒に牛頭天王の碑が祭ってある。
旧土手筋の賑わい  (152ベージ)
旧堤防に沿って昔の古い家並みが見られ、今もいくらかの商店があり、かつての面影を残している。

 

(つづく)

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