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第8回  菊水流剣詩舞  :  永岡  粋笙さん (2003/7/4)

■本名:永岡 美智子

■称号:教師

■号:「粋笙(すいしょう)」

キッと束ねた黒髪、紋付・袴に白足袋姿も凛々しく、白刃一閃正面を切り据える。朗々たる吟詠を背に、舞台狭しと右翔左転迫真の剣舞・・・、永岡さんは菊水流剣詩舞道の教師(錬師の上位)だ。

彼女がこの道に入ったのは22歳のころ、「一目みて、やってみたいと思った」のが動機で、すっかり「舞を通じてみんなで楽しく、若さと健康を保つ」この道の虜(とりこ)になったという。

ときは移ろい、主婦として、また三人の子の母としての今の境涯にあってなお「継続は力なり」を心に秘めて、二つの公民館に講座をもちながらも精進を欠かさない永岡さんは、昭和63年度(財)日本吟剣詩舞コンクール中国地区大会(剣舞、一般一部)優勝、同(同)全国決戦大会第4位、平成13年度 同 中国地区大会(同)準優勝、平成14年度優勝・・・という輝かしい経歴の持ち主だ。

剣詩舞をやってよかったと思うことは、「いろいろな方とめぐり合い、すばらしい出会いが得られたこと」「老人ホームや老健で踊ったとき、お年寄りの皆さんに涙を流して喜んでもらえたこと」などをあげ、「菊水流剣詩舞を、心から誇りに思う」という。

一方で「家族にはいろいろと迷惑のかけっ放しで、その理解と協力には本当に感謝しており、その気持ちを忘れないようにしたい」といい、それだけに「二人の子ども(中・小学生)が、剣詩舞を一緒に習いたいといってくれたのがうれしい」という目はすっかり母親のそれだ。

家には人間5人(本人の言)、イヌ2匹、ネコ2匹のほか、ウサギ、金魚、最近までニワトリもいたようなあんばいで、「友人にムツゴロウさんちみたい」といわれるそうだ。

剣をとれば、音がするほどに「ピシッ!」ときめる彼女も、地元の盆踊りではあでやかな浴衣姿に変身して櫓の上でうちわをかざし、また、声をひそめて「おっちょこちょいでよく忘れ物をする。レジでお金を払おうとして財布を忘れてきたことに気が付くことも・・・」と、ごく普通のおばさん側面も隠さないが、「当面の目標は前出のコンクールで中国予選を突破して、再び全国大会で入賞すること」と目を輝かす。

入賞はおろか、みごと優勝の栄冠を勝ち取る日の来ることを祈りたい。

(取材:小野田、演舞姿の写真はご本人提供)

 

 

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