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第6回  書道家  :  石井  思水さん (2003/6/24)

■本名:石井 裕子(いしい ひろこ)

■号:思水(しすい)

■生まれ:昭和22年生まれ

戦後の余燼覚めやらぬ昭和22年、岡山市は田町で産声をあげた。

父親の仕事の関係で6歳で神戸に転居、書の道に入るきっかけとなったのも神戸で、この地で10年を過ごした。

小学校1年生のときに初めて書いた書初めが大阪市立美術館に飾られ、「すごくうれしかったのが今の私の原点」と振り返る。

神戸には「創作(前衛)書道」界で有名な先生方が多く、その一人である伊勢屋光華に師事し、「自分の想いやその時々の心を表現できる書の道に、徐々にはまりこんでいった」という。

中学校3年生のとき岡山に転居し、西大寺中学から西大寺高校に学び、祖母の勧めで19歳でお見合い結婚し、祖母どうしが姉妹関係の石井家に嫁いだ。

結婚後も、家事に育児にと目の回るような忙しさの中でも寸暇を割いて筆をもち、伊勢屋先生の通信指導を受けながら、好きな書の道に勤しみ続けてきたという。

その後、主人の仕事の関係で東京に転居、そこでは斯界の大家前田次郎先生に師事し、「書の幅と広がりを学ぶことができた」と述懐する。

 

 

再び岡山に戻ってからは、教育書道界の大家大館桂堂先生に師事、現在は産経国際書会無監査、社団法人養和書道院理事、墨潮会常任総務の要職のかたわら自宅に「操水書道塾」をもち、書を教えることを通じて日本の伝統文化の継承に微力ながら尽くせる喜びと、教え子たちが立派に成長していく姿をみることにも生き甲斐を見出しながら、悠々充実の日々を送っている。

 

 

 

 

受賞歴は、1980年「岡山県新人10人、新傾向の書」(小野寺啓治編)に選ばれたこと、国際公募展で財団名誉総裁賞を得たこと、1987年フランスで開催された「日本の書家100人展」に選ばれて出品、その作品がみごとパリ大賞に輝いたことなど、枚挙に暇がない。

今は5人の孫たちに手をとられる毎日ながら、「ぜひ、自分の作品集をつくってみたい」「数年おきに開催する一門展を、ますます楽しいものにして行きたい」・・・、そんな目標と夢をもって今日も墨香に身を染める石井師である。

(文:小野田、写真:石井(ご主人))

 

 

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