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第3回  アマチュア映像作家  :  成本  数市さん (2003/3/12)

■生まれ:大正9年6月生まれ

■日本アマチュア映像作家連盟 監事

■CFCサロン岡山(旧小型映画友の会)会長

成本氏と映像とのそもなれ初めは、前回の岡山国体が開かれた昭和37年に遡(さかのぼ)る。

当時岡山市大供に住んでいた氏は国体の開会式の入場券を手にすることとなり、カメラなど持ったこともなかったものの「せっかくの機会、後々の語り草に写真でも」とカメラマニアの友人に相談したところ、「どうせ撮るなら動くほうがおもしろいぞ。8ミリカメラにしろ」と勧められ、「8ミリ撮像機と映写機をセットで買ったのがきっかけで、この道に嵌(はま)って(?)しまった」と往時を振り返る。

ときは移ろい、映像の世界も無声モノクロからカラートーキーへ、やがてフィルムからビデオテープへと変遷を遂げたが、現今のデジタル映像に至るまでの40余年の映像界の歴史は、まさしく氏が歩んできた道にほかならない。

 

 

 

本業(30歳代の半ばから始めた自動車解体業)に精出すかたわら、初期のころは手巻き(ゼンマイ)式の8ミリカメラを、現在はデジタルビデオカメラを片手に研鑽と作品作りに勤しみ、イベントや祭り、さらには風物や歴史を訪ねて全国を撮影行脚し、自宅2階にしつらえた編集室(タイトル挿入装置、音響ミキサー等の編集機器がズラリと並び、さながら旅客機のコックピットのよう)で1本の作品に仕上げて各種コンテストにも出品、「今までに入賞した作品は5〜60はあるでしょうか」と相好をくずす。

編集室の棚には、「日本を記録するフィルムフェスティバル・一般民族歴史部門芸能第1位」に輝いた“西大寺裸祭り”の盾をはじめ、「岡山ビデオコンテスト最優秀賞」「東京アマチュア映像祭ビデオコンテスト最優秀賞」 “老いの青空”、鳥取県知事賞の“神々の里の出雲路”等々のトロフィーやレプリカがところ狭しと飾られ、氏の歩んだ努力と栄光の軌跡を雄弁に語りかけている。

今は夫人と静かに余生を送る境涯だが、それでも所属クラブでの活動をはじめ映像製作への思いはますます熱く、本人の言葉を借りれば「仄かに残る青春の血をたぎらして」いる昨今である。

(取材:小野田 写真:岡崎)

 

 

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