吉備大賀ハス保存会

2012年(平成24年) 7月26日木曜日 岡山市民版

大賀ハス純粋種が開花 庭瀬城址内堀

 岡山市北区庭瀬の庭瀬城址の内堀で、古代ハス「大賀ハス」の別種が増えたため、地元の保存会が復活を目指し植えていた純粋種が1輪の花を咲かせた。保存会は「来年はもっと咲かせたい」と意気込んでいる。
 大賀ハスは、庭瀬地区出身の植物学者大賀一郎博士(1883〜1965年)が51年に千葉県の泥炭層から約2千年前の種子を発見し、発芽に成功した。地元の吉備大賀ハス保存会(27人)が今年4月に植えた純粋種の苗3株のうち、1株が今月22日に花を咲かせた。花は直径20センチで、淡紅色の花びらが大きく開き、葉も滑らかな手触りで大賀ハスの特徴が表れている。
 開花期間は4日ほどと短いが、別の1株にはつぼみが一つあり、27日ごろに咲きそうという。残る1株は葉が出ていない。
 庭瀬地区では15年ほど前から地元住民が内堀で大賀ハスを育てているが、内堀にある別種のハスとの雑が進行。同保存会は大賀博士に師事した和歌山県内の教師の家族から純粋種の苗を譲り受け、1鉢に植栽し、鉢に水を絶やさないように注いだり、茎を食べるカメの侵入を防ぐ柵を設けたりして育てた。