一般的には,中年以後年齢を重ねるごとに皮膚が乾燥し,かさかさの状態から痒みや湿疹を生じてくる皮膚病です。 症状が強くなると,円形のジクジクした状態(貨幣状湿疹)となります。 痒さでひっかくと,かいた場所やその周辺だけでなく,離れた場所まで湿疹ができてきます。 その状態を自家感作性皮膚炎といいます。 脛の前面が最も乾燥しやすい場所ですが,手足や胴体など全身のどこにでもみられます。 A小児乾燥型湿疹(アトピー皮膚) 子供の皮膚は大人に比べて薄く,外からの刺激にとても敏感です。 冬場で皮膚が乾燥する時期には,皮膚がカサカサになります。そこが衣服などで擦れると 痒みを生じ,皮膚炎を生じやすくなります。逆に夏場は汗の刺激によりアセモや皮膚炎を生じやすくなります。 B手湿疹(主婦湿疹,進行性指掌角皮症) 水仕事の多い人や手をよく使う仕事の人は,手の皮膚の脂分が減少し, その結果手の皮膚の水分が減り,いわゆる"手荒れ"の状態になります。 症状が強くなると,痒みや皮膚の角化(バリバリと硬くなる),亀裂(裂ける)を生じてきます。 <治療薬> @ステロイド外用剤 炎症に対する治療の基本となる薬剤です。 ステロイド自体の強さや、ステロイドを溶かしている基剤に様々な種類がありますので,年齢・症状・部位によって使い分けます。 A内服薬(抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤) 数年前から多くの薬剤が開発されてきています。以前は眠気を生じる薬剤が多くありましたが, 最近は眠気を生じることの少ない薬剤も開発されています。 B保湿剤外用 以下の薬剤があります。ステロイド外用剤と併用したり、炎症の無い場合には単独で用いられます。 サリチル酸軟膏 ビタミンA軟膏 ビタミンE軟膏 ヘパリン類似物質 尿素製剤 亜鉛華軟膏 <一般的な注意> @ひっかかないように心がけてください。 掻くと皮膚に傷がついて炎症が強くなり,それによって余計痒みが強くなるという悪循環に陥ります。 Aお風呂は毎日はいって,石鹸を使用しても構いません。 但し,ナイロンタオルなどで強くこすったりはしないようにしましょう。 B室温を高くしすぎると,空気が乾燥するので良くありません。 C食事はバランス良く摂りましょう。 お酒はほどほどに。 Dストレスを避け,疲れを残さないようにしましょう。 睡眠を充分取りましょう。 |
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