白癬について

白癬菌は真菌(カビの仲間。ばい菌=細菌とは異なる)
の一種で、皮膚病を起こす代表的な菌です。
白癬菌症は、俗に「みずむし(汗疱状白癬、足にできる白癬)」「たむし(頑癬、股部にできる白癬)」等といわれていますが、
現在では足白癬、股部白癬、頭部白癬等と、部位別に呼ぶことになっています。
1) 白癬菌の感染経路は以下の3つがあります。
@土壌・植物から人への感染(geophilic)
M.gypseum など
A動物から人への感染(zoophilic)
M.canis(U)、T.verrucosum など
B人から人への感染(anthropophilic)
T.rubrum(T)、T.tonsurans(V) など
TT.rubrum は、人の白癬菌症で一番多く見られる菌です。
UM.canisは、30年くらい前に多かったのですが、最近のペットブームで再び増加傾向にあります。
V.tonsuransは、最近問題になっている菌で、格闘技(柔道やレスリング)をする人に見られる傾向があります。
2) 白癬の種類
頭部白癬/頭に、境界明瞭な紅斑・鱗屑を生じる。
ケルズス禿瘡/頭部白癬が重症化したもので、浸潤、排膿が見られる。
体部白癬/おおむね環状を呈する紅斑で、鱗屑や水疱を伴う。
      /顔面白癬も体部白癬と同様の症状。
股部白癬/半円形、辺縁が堤防状に隆起する紅斑局面。鱗屑や水疱を伴う。
足白癬(3つの型がある)
  汗疱型/小水疱ができるタイプで、湿疹とまぎらわしい場合がある。
  趾間型/足趾間に水疱、鱗屑を生じる。水分を含んで白くなる(浸軟)。足の第W趾間が最も多い。
  角化型/皮膚が肥厚し、鱗屑を伴う。
手白癬は、基本的に足白癬と同じ症状。
爪白癬/爪の肥厚、混濁を生じる。著しい場合は爪が変形する。
3) 白癬の治療
  白癬の治療薬には外用薬(外用抗真菌薬:塗り薬)、と内服薬(内服抗真菌薬:飲み薬)があります。
外用抗真菌薬(下記のようにたくさんの種類があります)
  チオカルバミン酸系抗真菌剤
  イミダゾール系抗真菌剤
  アリルアミン系
  ベンジルアミン系
  モルフォリン系
  抗真菌抗菌抗生物質
  脂肪酸系
内服抗真菌薬(下記の3種類があります)
  グリセオフルビン
  イトラコナゾール
  テルビナフィン